われらには四箇月残し蝉果てぬ
冷房の機械いづれも醜くて
暑中見舞一枚も出さず受けもせず
夏黄櫨の小さき矜持そこ此処に
きゅっとして青唐辛子テーブルに
月下美人いずこかで見た何処かで
いつまでも恋には落ちぬ胡瓜かな
赤紫蘇と青紫蘇とゐるドラえもん
夏の季語昆布を特に冬使ふ
除草機も爆発間近日盛りて
誘蛾灯あの子この子も誘はれて
銷夏なぞ姑息なことをする勿れ
潮浴びの後ひりひりとかき氷
惹かれつゝお化け屋敷はやめておく
夏狂言噂だけ聞いて出ずじまひ
くだらなき納涼映画うわあキャア
怪談芝居いつも多忙の頃合ひに
日向水ゆらゆらゆらゆらするまゝに
馬冷すやうに老若男女冷す
あとは祈雨する他のなき地でござる
虫送り美しき景を賜りぬ
生涯は遠花火ばかり多かりき
爽やかになればなつたで哀しさよ
浮き袋空気抜くのを遅らせて
夏料理主婦の手際の見せ処
一皿のあらひで終へる夜でよし
少なめに鮓はつまんで宵涼み
てんてんと円座撒かれし大広間
予約してなかつたもので造り瀧
打水をする姿よし店に入る
かといつて結局ラムネ買はぬまゝ