補虫網なき家に入る兜虫
川浴びもそこまでとして濡れ草履
世をしばし逃れてお化け屋敷へも
涼み台いつもいっしょに蚊も連れて
飛込みのやがて音だけ聞いてをり
丸裸よくまあ子供は動くもの
任せ置く海なり波乗る若きらに
月を待つこころ同じく月見草
風蘭と教へくれたる可愛い娘
初茄子すこし小ぶりが似つかはし
どうしやうもなきこの広さ西瓜畑
世の中は死ぬまで続くきもだめし
避暑地よりフェイスブックに来る便り
処暑といふ言葉に正す身仕舞を
誘蛾灯美しき蛾も騙されて
草取りを少し残してビールとす
暑気下しメロンはいつも食べ過ぎる
暑くてもジャケットは持ち夏狂言
遠泳を好みし遠き日の写真
西瓜割る娘らの腹の焼けぐあひ
あのビーチパラソルまでが砂熱し
茄子漬を摘みて今日は締めんとす
行水を終へてもはしゃぎ終へぬ子と
曝書などする処なし花溢る
昼花火浴衣など着ずユニクロで
目覚ましてくれるひとつに鉦叩き
老蝶と呼ぶにははやしビルの谷
空蝉を放つておけない性分で
カミキリを見てゐることも夏のうち
枝豆にナイターにビール冷奴