2015年4月3日金曜日

濡れ草履

補虫網なき家に入る兜虫

川浴びもそこまでとして濡れ草履

世をしばし逃れてお化け屋敷へも

涼み台いつもいっしょに蚊も連れて

飛込みのやがて音だけ聞いてをり

丸裸よくまあ子供は動くもの

任せ置く海なり波乗る若きらに

月を待つこころ同じく月見草

風蘭と教へくれたる可愛い娘

初茄子すこし小ぶりが似つかはし

どうしやうもなきこの広さ西瓜畑

世の中は死ぬまで続くきもだめし

避暑地よりフェイスブックに来る便り

処暑といふ言葉に正す身仕舞を

誘蛾灯美しき蛾も騙されて

草取りを少し残してビールとす

暑気下しメロンはいつも食べ過ぎる

暑くてもジャケットは持ち夏狂言

遠泳を好みし遠き日の写真

西瓜割る娘らの腹の焼けぐあひ

あのビーチパラソルまでが砂熱し

茄子漬を摘みて今日は締めんとす

行水を終へてもはしゃぎ終へぬ子と

曝書などする処なし花溢る

昼花火浴衣など着ずユニクロで

目覚ましてくれるひとつに鉦叩き

老蝶と呼ぶにははやしビルの谷

空蝉を放つておけない性分で

カミキリを見てゐることも夏のうち

枝豆にナイターにビール冷奴