2015年5月7日木曜日

夏めくや

夏めくや静かに試練受ける肌

思ひ出の彼方の人と麦めしと

牡丹園われら疲れるいとまなく

街から街新樹続けばどこまでも

若楓盛時の今を揺れてをり

葵祭神田祭と畳みかけ

母の日は不愉快になる息子われ

軽暖ともいふが薄暑のほうが好き

新茶古茶むかし縁側ありし頃

柏餅ふたつすぐ喰ふ三つまでも

かけられし幼時の期待鯉幟

子供の日子供のなきも故ありて

余花なれば見つめぬもよし過ぐもよし

袷着て夕餉ののちを花めぐり

葉桜の深くなりゆく早さかな

色の濃き矢車菊を去りがたし

筍のここもむかふも異形なり

そら豆の添へられてゐる嬉しさよ

花みづきバス通りまで数へゆく

アカシヤのかをり降りゐる曲り角

昼薔薇に飽きて夕薔薇深夜薔薇

卯の花に似てひそやかに幸せに

売り声の楽しさもあり初鰹

高原のレストランなれば虹鱒も

草笛も吹くべしビル群遠き原

うんざりとなるほどの皐月まだ皐月

どことなく一流ならぬ躑躅花

マーガレット満つ庭もかつて持ちてゐし

折れず倒れず雛罌粟に学ぶこともあり

この時期は鯖ピチピチと張りつめて